風。木々の間を吹き抜ける風。
山間に佇む日本家屋。
その傍には「沓澤紺屋(くつざわこうや)」の看板。
奥の工房では今日もいくつもの布が藍に染められ、
いくつもの布が、庭で風に揺られている。
小春日和。工房に花田空良(はなだそら)がやってくる。
彼は「藍染について知りたい」と言う。
沓澤紺屋主人の沓澤照夫(てるお)やその妻露子(つゆこ)、そのほか様々な人たちとの出会い。
そして藍の奥深さに触れながら、と同時に様々なアイに触れていく。
藍とは
アイとは
気付き、悟り、そしてなお深く。
鮮やかで優しく、気高いアイに出会える。そんなお話。